ゆり
       〜天国へ召された一輪のひめゆりへ〜

君は何を伝えたかったのだろう?
遅く帰った僕は疲れていたし
その日は電話を掛ける気にもならず

それ以来
君からの連絡は
途絶えた

そして突然の訃報

君からの最期の電話
出てあげられなかった
悔しさ…

『百合の季節に生まれたから百合子』

ゆりの花の清楚さには程遠いけど
君はいつでも明るく
君の笑顔はいつも
屈託がなかった

僕はそんな君の笑顔を見るのが好きで
教会で
笑わなくなった君を見た時は
辛かった

『天国へ召されたひめゆり』

これから
ゆりの花を見る度に僕は
君のことを思い出すだろう