電話

先月の君からの電話
返す返すも悔やまれる

忙しさにかまけて
君に電話をかけ損なったこと

(あれは君の最期の挨拶じゃなかったんだろうか?)

今思ってみれば
君は

二十五年という
短い時間を

精一杯の足取りで
懸命に駆け抜けていったんだね

絵が好きで
詩が好きで

喋った後いつも
にっこりと笑うのが癖で…

今更何を言ってみたって
君は何も語ってはくれない

これからの僕は
君の残した
決して解けないミステリー≠抱え
生きて行くことになってしまった