いぬ2

今にきっと後悔させてやる
誰だったか
そんな寝言を言ってやがった
そんな文句は俺達には
何の足しにもなりはしないし
何の口実にも出来はしない
鼻腔から滴り落ちる
ゲル状の液体≠
啜り上げながら
ビルの反響によって
増幅された木霊を武器に
お前の残り香を
唯一の手掛かりとして
俺達は
この街のどこかに潜んでいるはずの
奴の影を追う
奴が見つかったらどうしよう?
考えるのはよそう
本当は奴と同じくらい
俺達もそれを恐れているのだ