欠伸

気怠い夏の午後
君のあくびは僕に移って

ふぁー
中くらいの生あくび

猫も伸びをしながら
大きいヤツを一つ

にあーん

グラスの中のソーダ水が
ピチピチと音を立ててはじけるのを
じっと見ている縞猫のように
瞬き一つせず何も考えずに君を見続けていられたら…

熱病にうなされる子供のように
僕は迂闊にも
君に聞かれてはいけないことを
言ってしまったらしい

寝起きの僕はまだ頭がはっきりしないのだ

だが君は僕の言ったことを聞き逃しはせず
しっかり僕を咎めるのだった

ああ僕は
君の大きなあくびの中に入って
もう一度夢の続きを見たいのだ